「仮想通貨資産は円建てだけでなく、BTC建てでも見るようにするべき」。
自分も最初はその意味がよくわかりませんでした。ただ、何回かトレードしているうちに言葉の意味がだんだんわかってきたので、この記事でまとめてみます。
あと、「ビットコイン価格が下がるとアルトコイン価格も下がる理由」も、BTC建てで見ることと関連している(と思う)ので、それについても記事の後半で解説します。
「BTC建て」とは
たとえば、ビットコイン価格が100万円のとき、イーサリアムの価格が10万円だとしたら、イーサリアムのBTC建てでの価格は0.1BTCとなります。
イーサリアム価格が20万円なら0.2BTCになりますね。
覚えておきたいのは、「円建て」の価格が上がったからといって、「BTC建て」でも上がるわけではない、ということです。
1週間でビットコイン価格が100万円から200万円に、イーサリアム価格が10万円から15万円に上がったとしましょう。
円建てで見ると、イーサリアムの価格は5万円上昇しています。
ただ、BTC建てで見ると「0.1BTC → 0.075BTC」となっています。0.025BTC下がっているんですね。
この「円建てでは上がっていても、BTC建てでは下がっている」、または「円建てでは下がっていても、BTC建てでは上がっている」というパターンは非常によく見られ、トレードをするうえでとても大切な捉え方になります。
その理由については後述しますね。
BTC建てで見ることが大切な理由
まず前提として、BTC建てで仮想通貨資産を見るべきなのは、海外取引所で短期〜中期トレードをする人に限られます。
ある銘柄を長期ガチホする予定の人や、国内取引所で円建てでしかトレードしない人は、BTC建てで考える必要、メリットはあまりありません。理由は後述します。
海外取引所で取引する場合、日本円は入金できないので、基本的にビットコインとアルトコインをトレードすることになります。
海外取引所では、ビットコインが日本円の代わりを果たしていると言ってもいいでしょう。これが、ビットコインが「基軸通貨」と呼ばれる理由でもあります。
ということは、ビットコインの枚数が多ければ多いほど、たくさんのアルトコインを買えることになります。
この考え方は法定通貨(円やドル)と同じです。現実でも日本円をたくさん持っているほど、いろんなものを買えますよね。それと同じことです。
つまり、円建てでは資産が増えていても、ビットコインの枚数が減ってしまえば(BTC建てでの資産が減ってしまえば)、購入できるアルトコインの量が減ってしまうということです。
「仮想通貨資産はBTC建てでも見るべき」なのは、これが大きな理由です。
保有しているビットコインの枚数は、資産の増加スピードに大きく影響を与えます。
たとえば、あるアルトコインの価格が2倍になったとき、そのアルトコインを何枚持っているかで資産の増加量に大きな差が生まれます。
1枚が2枚になるのと、10枚が20枚になるのでは全然違いますよね。
このことが理解できれば、「仮想通貨投資はビットコインの枚数を増やすゲームである」と言われるのも頷けるのではないでしょうか。
短期〜中期トレードによりビットコイン枚数を増やし、購入できるアルトコイン枚数を増やしていくのが、最も効率的に資産を増加させる方法ということです。
ゴリわかくん
国内取引所でしかトレードしない人やガチホの人にはあまり関係ない
国内取引所でしかトレードしない人や、ガチホの人にとっては、BTC建てで見るメリットはあまりありません。
国内取引所なら日本円で取引できるので、いかに日本円を増やすかのゲームになるためです。
ガチホの場合も、最終的にそのコインが円建てでいくらになるかだけが焦点になるので、BTC建てで見る意味はありません。
ただ、購入時のBTC建て価格より売却時のBTC建て価格が下がっていた場合は、そのコインをガチホするよりビットコインを持っていたほうが効率的に資産が増えていた、ということになります。
そういう目線でBTC建て価格を見ることには、大きな意味があると言えるでしょう。
ビットコインの価格が下がるとアルトコイン価格も下がる理由
現在の仮想通貨市場では、ビットコイン価格が下がるとアルトコインもつられて下がる傾向があります。
ただ、これって不思議ですよね。ビットコインの価格が下がれば、アルトコインのBTC建ての価格は上がるはずです。
その理由について、絶対にこうだ!とは言い切れないのですが、おそらく市場の心理が影響しているのかな?と思っています。
まず、ビットコイン価格が下がることによって、アルトコインのBTC建て価格が一時的に上がります。
すると、アルトコインの売り圧が上がります。高騰したことによる売り圧と、ビットコインの価格が下がっているという不安感による売り圧ですね。
逆に、買い圧は下がります。その理由は売り圧のそれの反対です。
その結果、ビットコイン価格の下落から少し遅れてアルトコインの価格が下がり始めるのでは?と考えています。
また、ビットコイン価格の下落よりアルトコイン価格の下落のほうが大きくなりやすいのは、アルトコインから逃げた資金がビットコインに集中するためだと思います。
アルトコインから資産を逃がすためには、基軸通貨であるビットコインを介さなければなりません。
その資金が全てフィアットに逃げれば、ビットコインもアルトコインと同じような下落率になるでしょうが、ビットコインで留める人も多いため、ビットコインの下落率は抑えめになっているのでは?と考えています。
まとめ
市場全体が下落しているときは、円建てでの資産減少は避けられません。
ただ、ビットコイン枚数を増やすことは可能です。一般的にビットコインよりアルトコインのほうが下落率は大きいと説明しましたが、それにあてはまらないコインもあります。
そのコインに資産を逃しておけば、市場が下降トレンドのときでもBTC建てでの資産は増やせます。
ここでもBTC建てで見ているかどうかによって、取る行動が変わってくるはずです。
メジャーアルトだと、イーサリアムが下落に強いですよね。どのコインが暴落に強いのかを観察しておくと、暴落に対処しやすくなりますよ。